34. 種を蒔く  | 『野人魂』 TVチャンピオン野人王 大西琢也が綴るメッセージ

34. 種を蒔く 

銀に輝く産毛をまとい、鉢の真ん中あたりから、すっと芽が出ていました。
「うわーっ」と思わず声に出してしまうほどの感激。嬉しさ。声にならない
想い。土からわきたつ生命の柱がそこにありました。

何かが生まれる。育っていくというのは、それだけで幸せを感じられますね。
そんな瞬間に出逢えた人はありがたいことに、他にはない暖かさで心が満た
されるのではないでしょうか。

生まれてから死ぬまで。日々、いろいろな出逢いがありますね。それら一つ
ひとつをどのようにとらえるのか。私達は答えのないことに答えを求め、良い
悪いのないことに意味づけをして、なんとか気持ちよくなれる方向を模索して
います。考えたり、迷ったり、間違えたり、うまくいったり、試行錯誤の中で
「幸せ」というものを求めているのでしょう。

幸せになるための種を蒔き、育てて、いつかどこかで自ら収穫する。
そして他から恵まれる。出逢いとはそんな過程の一部だと僕は想います。

だからこそ、何が起きてもどんな出逢いがあっても、
全てはまだ途中であると言えるのではないでしょうか。

桃栗3年。柿8年。人間は何年かかるのでしょうか。
僕はこれまで自分や一緒にでかける子供という土壌にたくさんの種を蒔いて、
育ててきました。周りの人、自然からはたくさんの肥料や水をもらってきま
した。本当にありがたいことです。

根っこを伸ばし、芽を出し、幹を太くして、枝を広げ、葉を、花を、実を
つけて。まだまだ先は長く何ができるか楽しみです。

さて、あなたはこれからどんな種を蒔いていきますか?

自分に。子供に。社会に。
数年後、数十年後の幸せにつながる種を蒔いていきましょうね。

あ、そうそう種蒔きのポイントがひとつあった。
「種は蒔かなきゃ芽吹かない」ということ。

とにかく一つでも二つでも良いと感じた種は蒔いてみる。そして、まずは
根を育てることにしましょう。大きく強く、しなやかに育つためにはどう
しても必要なことだから。

でもね、四六時中じいっと見てなくちゃ、肥料をやらなくちゃ育たないな
んてことはないですよ。時々忘れたって大丈夫。種そのものには自分で育
つ力が秘められていますからね。放置はなしですよ。

森だって同じこと。リスやカケスはドングリを集めては運び、埋めていき
ます。ときどき、どこだったか忘れてしまうけれど、そのお蔭であちこち
生命が芽吹いて森が広がっていきます。

さあ、僕らも幸せの森を作っていこうぜい♪

*12月5日講演会でアースウオーカーことポールが植えたドングリ。
 地球を歩いて木を植える人。5月には愛知万博に登場。沖縄も歩く。
 http://www.geocities.co.jp/NatureLand/8049/index.html