35. 泣く | 『野人魂』 TVチャンピオン野人王 大西琢也が綴るメッセージ

35. 泣く

ワケもなく泣けてくる。やっと。そうだ、やっとここまで来たなあ。
楽しいことばかりじゃないけれど、人生は退屈している暇などないね。

泣いたり、笑ったりしながら少しずつ自分に必要なことに気づいて、
歩いていくんだ。

誕生日を挟んで、ここ1ヶ月。人の「生き死に」がいつもより身近な
ところへ続けてやってきました。

大きな怪我。病気。精神的な重み。いろいろなものを抱えつつ、
みんなが懸命に生きている。少なくとも僕の周りにはそうやって、
生命を燃やしている人がいます。

どんなに辛いことがあったとしても、出口は必ずあります。
だから目の前にある事実をしっかりと両手で受け止めて、よく噛み、
ゆっくりと腹に収めよう。焦らず、ゆっくりと。いずれ、栄養になるから。

今が辛いなら、それをしっかりと味わおう。

声に出してもいい。泣いてもいい。
今はただそこにある、かけがえのない本当の自分に心を向ける時かもしれないね。

自分だけが解っている。感じている。そう想わせるいろいろなこと。
誰しもひとつやふたつあるよなあ。

親が子供に語りたくとも語れないこと。子供が親に言いたいこと。
男と女がお互いに持っている想い。友達。仲間。家族。

我慢ばっかりしなくていいよ。
涙を流して、たまにはそれぞれ自分の生命を洗濯しようよ。

きっと身近に理解して、見守って、受け止めてくれる人がいるからね。
いつか死ぬとき。それは必ず来るけれど、生命はまだここに在る。

泣くのは恥ずかしいと想っていた時期があったけれど、実はそうでもないぞ。
自然な涙。いいじゃないか。魂に潤いがある証拠だ。

悲しいときも、嬉しいときも、泣きたいときには泣けばいい。
そのままでいいじゃないか。

本当はワケもなく泣いているのではない。生きていればこそ。
そんな出逢いを深く味わっていこう。